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番 号:200-ad-008
画家名:ギュスターブ・モロー
作品名:出現 The Apparition 1876
画 像:
【絵画解説】 
出現 The Apparition 1876
サイズ: 55 cm × 46 cm  フォグ美術館蔵
作 者:ギュスターブ・モロー

 この絵は、ギュスターブ・モローによって描かれた出現という作品です。

 旧約聖書聖書に登場する「ヘロディアの娘(サロメ)」がダンスの褒美に洗礼者ヨハネの首を所望し、皿に載せられて運ばれてきたヨハネの首が宙に浮き、それをサロメが指さす場面を描いているようです。

 サロメは、ユダヤの王族の娘で、母親がヘロディアのため「ヘロディアの娘」と言われる方が一般的です。

 物語の始まりは、ヘロデ王が、異母兄弟と離婚したヘロディアを妻としてめとったことでした。

 そして、洗礼者ヨハネが「兄弟の妻を、自分の妻にすることは良くないことだ」と巷で言っているとヘロデ王は聞きつけました。

 しかし、彼が聖人で民衆から敬愛されていて、殺すことができなかったため逮捕し投獄しました。

 ヘロディアは、それを歯がゆく思いヨハネを何とか殺せないかと考えていました。

 そんな折、ヘロデ王は、多くの高官や将兵を招いて自分の誕生会を催しました。

 その祝宴にサロメが入ってきて、素晴らしい踊りを披露し、王をはじめとする列席者を感動させました。

 王は、踊りを見て感激し、サロメに「好きなものを求めよ、望むなら国の半分でも良い」と言ったそうです。

 すると、サロメは、母親のヘロディアの所に相談に行き、母親が「ヨハネの首だ」と言ったため、サロメは、王の所に戻り「洗礼者ヨハネの首をください」と言ったそうです。

 王は、躊躇しましたが、居並ぶ部下たちの前で約束した手前、拒否することができず、衛兵に牢獄で洗礼者ヨハネを斬首させました。

 お盆に乗せられてきたその首は、王からサロメへ、サロメから母親ヘロディアへ渡されたそうです。

 ※ここに載せたものは伝承であって、オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」とは違っています。

  
   
 
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