ヘロディア Herodias, 1843
サイズ: 129 cm × 98 cm ヴァルラフ・リヒャルツ美術館蔵
作 者:ポール・ドラロッシュ
サロメは、ユダヤの王族の娘で、母親がヘロディアのため「ヘロディアの娘」と言われる方が一般的です。 物語の始まりは、ヘロデ王が、異母兄弟と離婚したヘロディアを妻としてめとったことでした。 そして、洗礼者ヨハネが「兄弟の妻を、自分の妻にすることは良くないことだ」と巷で言っているとヘロデ王は聞きつけました。しかし、彼が聖人で民衆から敬愛されていて殺すことができなかったため逮捕し投獄しました。 ヘロディアは、それを歯がゆく思いヨハネを何とか殺せないかと考えていました。 そんな折、ヘロデ王は、多くの高官や将兵を招いて自分の誕生会を催しました。その祝宴にサロメが入ってきて、素晴らしい踊りを披露し、王をはじめとする列席者を感動させました。 王は、踊りを見て感激し、サロメに「好きなものを求めよ、望むなら国の半分でも良い」と言ったそうです。 すると、サロメは、母親のヘロディアの所に相談に行き、母親が「ヨハネの首だ」と言ったため、サロメは、王の所に戻り「洗礼者ヨハネの首をください」と言ったそうです。 王は、躊躇しましたが、居並ぶ部下たちの前で約束した手前、拒否することができず、衛兵に牢獄で洗礼者ヨハネを斬首させました。 お盆に乗せられてきたその首は、王からサロメへ、サロメから母親ヘロディアへ渡されたそうです。
※ここに載せたものは伝承であって、オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」とは違っています。
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