ピュリス Phyleis, 1908
サイズ: 56 cm × 96 cm 個人所蔵
作 者:ジョン・ウイリアム・ゴッドワード
ピュリスは、ギリシャ神話に登場するトラキア王の娘です。
トロイ戦争からの帰り道にトラキアで足止めされていたアテナイ王デモーポンは、ピュリスと結婚しましたが、ギリシャでやり残したことがあったため一旦トラキアを離れます。
このときピュリスは、デモーポンに自分の所に戻れないような不測の事態が起きた時開けなさいとレアー神の箱を渡しました。
彼女は、彼の帰りを待ち焦がれ毎日船着き場を訪れましたが、帰りの約束の日が過ぎても彼は帰ってきませんでした。
彼女は、悲しみのあまり木で首を吊って死んでしまいましたが、気の毒に思った女神ヘラは彼女をアーモンドの木に変身させてあげたそうです。
デモーポンは、船が浸水したためキプロス島にいましたが、好奇心に駆られレアー神の箱を開け中味を見ると恐怖に襲われ、馬に跨りますが自身の剣の上に落馬して死んでしまったそうです。
別のヴァージョンでは、デモーポンがトラキアに戻ると、ピュリスは既に自殺しアーモンドの木に変身していました。悲しくなったデモーポンが、この木を抱きしめるとアーモンドは花を咲かせたそうです。
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