インターネット美術館 【インターネット美術館・世界の名画】
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番 号:070-af-027
画家名:ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
作品名:ナルキッソス/ Narcissus
画 像:
【絵画解説】 
ナルキッソス Narcissus
サイズ: 110 cm × 92 cm  バルベリーニ宮:国立古典絵画館蔵
作 者:ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ

 ナルキッソスは、ギリシャ神話に登場し、河神セフィサスと妖精リリオペの息子で、狩人の美少年です。
 彼は、女性からも男性からも好かれましたが、彼は、それを当たり前のように自慢に思い、好きになってくれた人を軽蔑していました。
 森の中で、狩りの途中の彼を見た妖精エコーも、彼を好きになりました。エコーは、ゼウスとの浮気をごまかそうとしたため、ゼウスの妻ヘラから、ほかの人が彼女に言った最後の言葉の少ししか話せないようにされていたため、ナルキッソスから相手にされませんでした。(日本語のエコー(木霊)は、ここからきています。)
 そんな彼を見た、人間が神に働く無礼(ヒュブリス)を罰する女神ネメシスは、彼を池に引き寄せ、自分自身が水面に映る姿を見せ、その美しさでその場所から離れることができないようにしました。
 そして、彼は生きる意欲を失い、死ぬまで、じっと池の水面に映る自身の姿を見つめ、死んでステュクス川(三途の川)を渡るときまで川面の自分を眺めていたそうです。
 ナルシズムという自分自身にうっとりしてしまう言葉は、彼のこのような行動からきた言葉です。

 この絵は、1916年にロベルト・ロンギによってカラヴァッジョ作とされ、錦の胴着を着た思春期の青年が両手をつき、水面に映る歪んだ自分に恋をしてしまい、その場から離れられなくなってしまったナルキッソス を描いています。彼と水に映った彼がサークル状になり、周りが暗闇で覆われ、全体として陰鬱な雰囲気を醸し出しています。

 
   
 
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