インターネット美術館 【インターネット美術館・世界の名画】
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番 号:070-ac-029
画家名:ピーテル・パウル・ルーベンス
作品名:キリスト降架/ The Descent from the Cross
画 像:
【絵画解説】 
キリスト降架 The Descent from the Cross
サイズ:420.5 × 320 cm  アントワープ聖母大聖堂蔵 
作 者:ルーベンス・ピーテル・パウル

 この絵は、アニメの「フランダース犬」で主人公のネロが、いつか見てみたいと思っていて、最後に天国に召される前にようやく見ることができたというもので、アントワープの銃組合が、聖母大聖堂に飾るアルタピースとしてルーベンスに注文されました。
 16世紀の後半に、ヨーロッパの多くの教会に飾られていた宗教画は、イコノクラストによって偶像崇拝の対象であるとして壊されてしまいました。このため教会を飾る絵画が必要になり、この時期にバロック芸術として流行するようになり、この絵も制作されたようです。
 この絵の優れた描写法は別として、キリストの苦しみが描かれたこの絵には、宗教画として隠されたメッセージが設けられています。それは、この絵を構成する3連の絵のすべてに聖クリストファーが隠された形で描かれていることです。この聖人は、銃組合の後援者として崇拝されていたそうです。ルーベンスは、このテーマでこの聖人を描くと教会とトラブルになることを知っていたので、こうした方法をとったようです。
 ちなみにこの絵では、赤い服を着てキリストを運んでいる聖ヨハネが、隠された聖クリストファーであるとのことです。

 
   
 
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