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番 号:060-an-004
画家名:ジュリオ・ロマーノ
作品名:羊飼いの礼拝 Adoration of the Shepherds
画 像:
【絵画解説】 
羊飼いの礼拝 Adoration of the Shepherds
サイズ: 275 cm × 212 cm  ルーヴル美術館蔵
作 者:ジュリオ・ロマーノ

 この絵は、ジュリオ・ロマーノによって描かれた「羊飼いの礼拝」という作品です。

 キリスト教神学では、大天使ガブリエルがマリアへの受胎告知により神を宿すと伝えていたことからも分かるように、父と子と聖霊の3つの役割を神がしており、このうち子としてのイエスは、神がイエスの身を藉りて地上に降りてきた姿である言えます。

 この絵は、その降誕の様子を描いています。イエスは、ベツレヘムの町の厩若しくは洞窟で、処女マリアより生まれ、飼い葉桶に寝かされたと言われます。

 誕生と同時に、天使が降りてきて羊飼いにメシア(救世主)の誕生を知らせたため、羊飼いはイエスが生まれた場所を訪れ礼拝します。

 この絵の左側には、イエスがゴルゴダの丘で十字架に架刑され、その生死を確かめるためイエスの左わき腹に槍を突き刺した聖ロンギヌスも描かれています。彼は、無名のローマ兵で目が不自由でしたが、槍で刺したイエスの返り血を目に受けると、目が見えるようになり、その後、改宗しキリスト教神学でロンギヌスの名が与えられたとのことです。
 イエス・キリストには、十字架に架けられた際の、両手の穴、両足の穴、そしてロンギヌスの槍での傷の「5つの聖なる傷Five Holy Wounds」があります。

 この絵の右側には、福音者ヨハネが描かれています。
 福音者ヨハネは、ヨハネによる福音書を書いた人物で、洗礼者ヨハネとは別人物ですが、伝統的に使徒ヨハネ、ヨハネの黙示録を書いたパトモス島のヨハネ 、ヨハネの手紙の長老ヨハネと同一人物とされていますが、異論が多くあります。
 ヨハネによる福音書は、キリスト教教義の4つの福音書(マルコ福音書、マタイ福音書、ルカ福音書、本書)のひとつで、イエス最愛の弟子、使徒ヨハネにより一番最後に書かれ、匿名性をもってイエスの一生を述べています。
 書かれた時期にキリスト教会とシナゴーグの論争があったようで、この福音書によって、ユダヤ教からキリスト教が分派していったとみる向きがあり、他の3つの福音書と趣が異なるとも言われています。


  
   
 
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