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番 号:050-ak-014
画家名:ヨアヒム・パティニール
作品名:ステュクスを渡るカロン/Charon crossing the Styx
画 像:
【絵画解説】 
ステュクスを渡るカロン  Charon crossing the Styx
サイズ:64 x 103 cm プラド美術館蔵 
作 者:ヨアヒム・パティニール
  
 この絵のステュクス川を渡るカロン(渡し守)は、古典的主題で、「アエネイス」(ラテン文学の傑作)のウェルギリウス、最後の審判やアルゴンにおけるキリスト教の伝統的な地獄のダンテと関係しています。ボートの中の大きな人物はカロンで、死んだ魂をハーデスの門(地獄門)に運んでいます。とても小さなボートの乗客は、この絵の真ん中を流れるステュクス川によって分けられている右岸の天国か、左岸の地獄かへ送り込まれます。
 この川は、地獄の最も深い部分を流れる4つの川のひとつです。絵の右岸の天国にある噴水は、天を通して流れ込むレテ川で春を運び込んでいます。このレテの水には、過去を忘れさせて、永遠の若さを与える力があると言われます。左岸には、ヒエロニムスの影響を受けた地獄の光景が広がっています。地獄の正門には、ケルベロス(3つ頭の犬)を配して地獄の警備をさせています。
 キリスト教におけるステュクス川とは、仏教における三途の川でしょうか。多くの文献を見ますとキリスト教と仏教の説話には、本当に似ているものが多いと感じます。

   
 
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