インターネット美術館 【インターネット美術館・世界の名画】
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番 号:050-ac-010
画家名:ピーテル・ブリューゲル
作品名:バベルの塔/The Tower of Babel
画 像:


【絵画解説】 
バベルの塔 The Tower of Babel (写真上) 
サイズ:114 x 155 cm (ウィーン美術史美術館)

バベルの塔(小) The "Little" Tower of Babel (写真下)
サイズ:60 x 74.5 cm (ロッテルダム王立美術館)
作 者:ピーテル・ブリューゲル Pieter Bruegel the Elder(フランドル1525-1569)

 聖書によれば、バベルの塔は、人間がその驕りから天国へ到達するために建築しようとしたものです。ブリューゲルが描く巨大なアーチを持つローマ様式のこの塔は、当時のキリスト教徒に対する迫害と人間の傲慢さのシンボルであるローマの闘技場のように見えます。
 このバベルの塔は、神の怒りによって破壊されるとともに、人間が共通の言語から、いろいろな言語にされ、コミュニケーションが不自由にされてしまいます。でもこの絵からは、神の怒りというよりも、このような巨大建築の設計の困難性により塔が壊れたと見て取れると言われています。このタワーの層は、水平でなく螺旋状に上っていく形ですが、絵の中の職人は、傾斜した地面に垂直にアーチを立てているため不安定になっています。
 更に問題なのは、下の層が完成していないうちに上の層を作っていることです。この絵は人間のプライドの危険性を表すとともに、古典的な知恵や知識の失敗を実証しようとしたとも言われています。当時の国際社会の中でハプスブルグ家が帝国として威信を示すため大臣や聖職者などが考えていたことに対する寓意であるとも言われています。
 
   
 
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