書斎の聖ヒエロニムス Saint Jerome in His Study, 1480 サイズ: 184 cm × 119 cm オンニッサンティ教会蔵 作 者:ドメニコ・ギルランダイオ
聖ヒエロニムスは、4世紀頃、イタリア北部で生まれたキリスト教の神学者で、ローマ留学やシリアの砂漠での放浪生活を経て、習得したビザンチン語やヘブライ語でキリスト教神学の研究を行いました。 その後、ローマ教皇ダマスス1世のもとで、それまでなかった聖書のラテン語版の作成に取り掛かりました。 ダマスス1世が亡くなった後、教皇の支援が無くなりましたが、独自に翻訳活動を続け、後のカトリックの標準聖書「ウルガタ」訳聖書を完成させたと言われています。(異説あり) また、福音書に対する彼の見解を載せた著述やローマのような大都市でのキリスト教信者の道徳的生活に対する教義も残しています。 特に、聖ヒエロニムスは、当時の貴族階級の女性たちとの付き合いで、女性はどのようにイエスに対し献身的生活を送るべきか、なども説いていたようです。
この絵には、書斎で、片腕で頭を支えながら、ギリシャ語を参考に聖書をヘブライ語からラテン語に翻訳している姿が描かれていると思われます。
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