インターネット美術館・世界の名画

【インターネット美術館・世界の名画】
このサイトでは西洋絵画史を簡単にご紹介させていただいております。

インターネット美術館資料室400-bi-001

主題名：モーゼ Moses

【主題解説】

　モーゼは、旧約聖書「出エジプト記」に出てくる人物で、イスラエルの民族指導者です。
　彼にまつわるエピソードに次のようなものがあります。
・　ファラオの新生児殺害命令を逃れ、川に流され、王族に拾われ生き延びる。
・　エジプト人殺害の罪で、逃亡中、主より。イスラエルの民を約束の土地へ導く命を受ける。
・　ファラオに、「十の災い」により、イスラエルの民のエジプト脱出を認めさせる。
・　エジプト脱出の夜の「過越祭」を起こさせる。
・　エジプト脱出後、荒野を彷徨ったイスラエルの民の前で、岩を杖で打ち、その岩から水を湧き出させた。
・　イスラエルの民を、紅海を横断させる際に、海を二つに分ける。
・　シナイ山で、主より「十戒」を授かる。

●その他
○　ジェスロの娘を守るモーゼ Moses Defending the Daughters of Jethro
　モーゼは、生まれてすぐ川に流され、エジプトの王女に拾われ、そこで文武両道に秀でた若者に成長しましたが、出生の秘密を、エジプトの王子ラメセスに知られ、荒野に追放されます。
　散々、荒野を放浪した末、彼はシナイ山の麓に到達し、そこで、羊飼いの族長ジェスロに助けられます。ジェスロには、7人の娘がおり、羊の群れに井戸から水をくみ上げ与えるなどの仕事をしていました。
　ある日、モーゼは、ミディアン人が、娘達をの娘達を脅して、井戸から追い払っている様子を目撃したので、ミディアン人と闘い娘達を守りました。
　これを聞いて感謝したジェスロは、長女のセファラを若いモーゼの嫁としました。

○　十戒　Ten Commandments, the Decalogue
　十戒は、ヘブライ聖書の出エジプト記と申命記にそれぞれ登場し、同様のものがヒッタイト法やメソポタミア法にも見られます。
　内容としては、主への礼拝、両親への敬い、安息日を守ること、偶像崇拝・神への冒涜・殺人・姦通・泥棒・不正・人のものを欲しがるの禁止です。
　モーゼの十戒は、出エジプト後、モーゼがシナイ山で神から授かったもので、２枚の石板に書かれているそうです。

○　紅海の横断
　神は、エジプトで奴隷となっていたイスラエルの民をカナンの地に導くリーダーにモーゼを選びました。モーゼは、ファラオの許しも得て、昼は雲の柱、夜は火の柱を目印に、イスラエルの民を紅海の傍まで連れてきました。
　するとそこに戦車を率いたファラオの軍勢が押しかけてきましたが、間に雲と火の柱が立ってファラオの軍勢を足止めしました。
　神に命令されたモーゼが、彼の持ち物を紅海に投げると、強い東風が吹き始め、この風が海を分け、イスラエルの民はそこを通って対岸に渡ることが出来ました。
　皆が渡り終え、ファラオの軍勢が渡り始めるとちょうど夜が明け、風は止み海が元通りになり、エジプト軍は海に飲み込まれました。

○　12人のスパイ
　モーゼは、イスラエルの民を率いて彷徨い、約束の地カナンの近くまで来ましたが、カナンについて良くない噂を耳にしました。そこで、かつてアブラハム，イサク，ヤコブ住んだ約束の地カナンに、12人のスパイを派遣し現在どのようになっているか調べさせることにしました。
　戻ってきた２人のスパイ：ヨシュアとカレブは、大きなブドウの実った木を担いできて、素晴らしいところであったと言い、残りの１０人のスパイは、屈強な人たちが住んでいて、自分達が乗りこめば殺されてしまうと報告します。
　神は、神が示した土地をイスラエルの民が信用しなかったので、お怒りになり、更に荒野を彷徨わせました。
　ただ神を信じたヨシュアとカレブだけは、カナンの地に移り住むことができたそうです。

○燃える柴
　モーゼは、義父の羊を追って神の山ホレプにやってくると、柴の中に炎を見つけ、その炎の中から神がモーゼに呼びかけました。
　神は、エジプトにいるイスラエルの民を救い出し、豊穣のカナンの土地を与えることにすると言い、そしてモーゼにエジプトに行って、虐げられている彼らを連れ出してくるよう命じました。