インターネット美術館・世界の名画

【インターネット美術館・世界の名画】
このサイトでは西洋絵画史を簡単にご紹介させていただいております。

インターネット美術館資料室400-bb-002

主題名：聖フランチェスコ　Saint Francis

【主題解説】

　聖フランチェスコは、１２世紀後期、イタリア半島中部のアッシジで裕福な商人の子として生まれ、フランシスコ会を創設したカトリック修道士でイタリアの守護聖人です。
　彼は貧しい人々に自分の物を分け与え、清貧を旨としそれに共鳴する人々と教団を設立しイタリア各地の宣教の旅に出ました。これがアッシジの「小さき兄弟団」(Ordo Fratrum Minorum)と言われフランシスコ会の正式名称です。
　彼は、それまでの修道士が修道院の中で、聖書の研究や瞑想などに耽っていたのに対し、民衆の中に出ていき聖書の活動を実践することに重きをおき、鳥や動物に対しても説教を行ったと言われます。こうして、最初は小さかった教団も病人や貧者の世話、托鉢、説教などの活動を行う中で、規模が大きくなり外国にまでも賛同者が現れるようになりました。
　このような活動の中、彼に関する奇跡の逸話も話題にされるようになりました。そのひとつにラヴェルナ山中において六翼の天使から聖痕を受けたとされ、奇跡を起こしたとの報告もあるようです。

※聖痕とは、キリストが磔刑となった時についた傷で、その傷が後の聖人の体の同じ場所に現れると、その聖人は病気を治したりする奇跡を起こせるようです。